純粋にものを見るというのは果たして
可能なのでしょうか?
少なからず何かのバイアス(観念)がかかった状態で
私たちはものを見ているように思います。
だからなかなかその境地には至れない。
でも時折、制作にものすごく没入している時に一瞬世界が新鮮に
見えることがあったりします。
その時は何か嬉しい気分になります。
それが絵を描くことの意義の一つなのかもしれません。
その体験を何度も重ねてだんだん純粋なものを見て行くように
なっていくのかもしれません。
でもその中には完全ではないにしてもその純粋さの度合いが強い人がたまにいます。
それが今回紹介する会員さんの作品です。
既存のものの見方や描き方などに左右されないアート作品が近年
注目されていますが、この作品もそうしたエッセンスを含んだ作品だと思います。
ものに対して塗り方や描き方を直感的に変えていき
それがテクスチャーの異なる表現を生み出し
見る人の心をざわつかせているように思います。講師の言葉が
絵をみてもわからない私にも伝わるような暖かな言葉でした。
最後になりますが、この作品の会員さんに難しかった点をお聞きしました。
草花の細かいところを描くのが大変でした。とのことです。
確かにとても細かいです。
上手くいったところは、モチーフ全体を入れられたことだそうです。
F15号の油彩画です。