人物画講座
8月31日(火)から、人物画講座が始まりました。例年だとモデルさんに秋らしいファッションでお願いしているのですが、まだまだ暑さが続きそうなので、夏の装いでポーズをしてもらいました。
宮芸ってどんなとこ?2
教室には4つのモチーフ(1ヶ月半から2ヶ月でチェンジです)と石膏像モチーフ(1ヶ月でチェンジ)が1つあります。モチーフチェンジをすると席を決めてモチーフを描きます。
この写真には2つのモチーフと石膏像が写ってます。講座フリーコースの油彩の時間です。
井桁先生の作品がきのとやに
宮芸には5人の講師がいます。そのうちの1人、井桁先生の作品が札幌駅すぐ近くで観ることができます。講師の作品は、個展や宮芸の作品展以外ではなかなか観ることできないのです。この機会に是非お立ち寄り下さい。
JRさっぽろ駅大丸地下1階「きのとやカフェギャラリー」で展示されてます。
営業時間は10時から20時までです。11月中旬まで展示していますので、お買い物やお食事の後にでも、是非覗いてみてくださいね。
絵のヒント
宮芸では、毎月「絵のヒント」と題して、絵の歴史だったり、技法のこと、ものの見方のことなど、さまざまな視点から、制作上のヒントになることをレクチャー形式で行っています。
8月25日に行ったのは、なんと右脳を使って描くことのすすめでした。右脳を使って描くということを実際に文章にしたり、教育方法として確立したのは、アメリカの美術教育家(確かUCLAの教授だった。)であるベティ.・エドワードです。
もともと画家たちが、絵を描くときに無意識にマスターしていたことを理論化したといってもいいかもしれません。彼女の著書『脳の右側で描け』では「文字が書ければ誰でも写実的な絵は描ける。」といってます。さらに彼女はこんなことも言ってます。「絵を描くということは、実はそれほど難しいことではない。筆を動かすというより重要なことは『見る』ことだ。 つまり、理屈をこねまわしながら見ようとする「左脳」をひっこめ、物静かに柔らかな「右脳」で見ることができるようになれば、誰でも絵が描けるようになる」とも。何とも嬉しい本ですよね。もし興味のある方は、ぜひ読んでみてください。この本で絵を描くことと、脳の関係を知ることができますよ。
で、どうやって右脳を使うのかというと?主に次に述べる3つの作業で右脳へ切り替えることができます。
「まわりの空間のかたちを描く」
「素早く描く」
「ゆっくり感じながら描く」
みなさんもぜひ制作の中で試してみてください。
今月の石膏像
9月は「メディチ」です。デッサン講座時間帯3名まで制作可能です。
石膏像の「メディチ」はルネサンスの大巨匠ミケランジェロが造った「ジュリアーノ・デ・メディチ像」の首から上部分を石膏取りしたものです。
フィレンツェにあるメディチ家礼拝堂の「ジュリアーノ・デ・メディチの墓碑」の上に置かれた像(写真右上)です。ちなみに下に置かれた対の像は「昼」と「夜」です。大理石で造られています。1526~1533年 630×420cm
ジュリアーノ・デ・メディチ (Giuliano de’ Medici, 1453年 – 1478年4月26日)は、ルネサンス期イタリア・フィレンツェ共和国の政治家です。かの有名なフィレンツェの実質的な支配者として君臨したメディチ家の一員です。フィレンツェ・ルネサンスの黄金時代を築いたロレンツォ・デ・メディチの弟です。
ミケランジェロといえば、昔、絵を始めた頃、絵の先生に勧められて読んだアーヴィング・ストーン著「ミケランジェロの生涯 苦悩と歓喜 」が懐かしい。すごく感動したことを覚えています。今アマゾンで調べてみたら、絶版になっていて中古で9400円になってました。
ちなみに、同じ著者の「炎の人ゴッホ 」もその頃読みました。よかったですね。あのときの感動を忘れずに生きてゆきたいです。アーヴィング・ストーンの伝記はただの伝記というより、作者がゴッホやミケランジェロそのものになっているといってもいいくらいリアリティのある伝記です。
個展のご案内。
只今、アカデメイア会員の木林暁音さんの個展が、ギャラリー エッセ(札幌市北区北9条西3丁目9-1 ル・ノール北9条1F)
http://www.esse.co.jp/gallery/access.html
で開催中です。
アメリカの大学(ボブジョーンズ大学で宗教絵画を学ばれました。)に留学されていた頃の作品や当倶楽部で制作した作品が展示されています。
木林暁音 個展 ”Art of The Bible”
8月29日(日)10:00~19:00(最終日は~17:00)まで。
宮芸ってどんなとこ?
宮の森芸術倶楽部は宮芸って呼ばれています。
かしこまった話は抜きにして、宮芸の今の様子をみなさんに知ってもらいたくて、これから少しずつ紹介していこうと思ってます。
赤い扉が入口です。小さなソファが置いてあって、ここでお昼を食べたり、おしゃべりしてます。
夏休みのお知らせ
8月14日(土)から8月20日(金)まで宮の森芸術倶楽部は夏休みとなります。
どうぞよろしくお願いします。
今月の石膏像
宮の森芸術倶楽部では、なぜか石膏デッサンが人気です。毎月、石膏像を入れ替えて、一月単位でみなさん石膏デッサンに取り組んでいます。
今月の石膏像は、『ガッタメラータ』
エラズモ・ダ・ナルニ(Erasmo da Narni, 1370年 – 1443年1月16日)、通称ガッタメラータ(Gattamelata、トラ猫の意)は、非常に有名な傭兵および傭兵隊長(コンドッティエーレ)。
1370年にナルニにパン屋の息子として生まれる。軍人学校を卒業した後、フィレンツェ、教皇庁に仕え、1434年にはヴェネツィア共和国に下級司令官として仕官した。仕官後はヴィスコンティ家との戦いなどで主に活躍。ヴィスコンティ家からヴェネツィアを防衛したりヴェローナの征服に成功するなどその有能振りを発揮し、最終的には総司令官にまで出世した。1443年パドヴァにて没。
上の写真は、ルネサンスに活躍した彫刻家ドナテッロが彼の軍功に対し作成したブロンズの騎馬像『ガッタメラータ将軍騎馬像(Equestrian Statue of Gattamelata)』です。
みなさんが描く石膏像はこの上半身部分を石膏にしたものです。
完成作品は後日公開予定です。
乞うご期待!
展覧会を終えて。
今年で8回目となる倶楽部の展覧会が先日、盛況のうちに無事終了しました。
油彩画、水彩画、デッサンはもとより、パステル、色鉛筆、版画、写真と幅広い表現手段で描かれた100点以上にのぼる出展作は、毎年どれも力作ばかりです。
日々、倶楽部のアトリエで制作している皆さんの作品への様々な想いや、情熱(時には悩み、苦しみ)が、1点1点の画面に込められていて、指導している私達もついつい感動して見入ってしまいます。
それらの多くの秀作の中でも、印象深かった作品について少しだけ触れてみたいと思います。
Sさんの作品「Catalonian Rose」「静かな時間(とき)」の水彩画2点は、水彩の扱い、技法ともに大変安定していて魅力的でした。
Uさんの「ひとやすみ」は油彩技法の良さを活かしながら、モチーフへの真摯なまなざしが感じられ魅力ある人物画に仕上がっています。
Aさんの「犬たちの広場」は、自分なりの世界観が、今後この作品から発展して生み出されてくれるきっかけになっていけば面白いのではないか、と期待してしまいました。
Kさんの”晩秋の公園”は水彩画F8号と比較的小さな画面でしたが、水彩らしい瑞々しい表現で大作に負けない雰囲気と魅力を感じました。
Tさんの”雑木林”、”マシンとの対話”は、完成度への飛躍が望まれますが、スケールの豊かさを感じさせる作品に見え、今後が楽しみです。
Sさんの”人物”、”I got a blue”はいずれも今回の出展作品中、最も卓越した描写力と完成度の充実を感じた画面でした。リアリティーの追求と、制作の粘り強さは見事としか言いようがありません。
Hさんの”チベット”は、確かな描写力を感じさせた上でドーミエのような明暗法を用いた、独特の美しい逆光の画面になっていて秀逸です。
そして、Yさんの作品”プロローグ”。今回の展覧会の中では、最も独創性を強く感じることができた人物画として心に残りました。安易な自己表現やマチエールの追求は、ともすれば陳腐な表現に繋がりかねないのですが、この作品は、今後の展開に大きな可能性を感じさせるものとして興味深かったです。
その他、写真作品や版画作品の中に、あるいは鉛筆表現やパステル画の中にも感動的な作品がたくさんありました。
絵画作品は、完成することだけが目的ではありません。
できれば、作者1人1人の日常から飛び出して、会場の壁面に展示され、多くの人の目に触れることが大切です。そうした展示空間の中から、これから描いていく次回作へ向けて新たな制作目的をつかみ取っていくことができれば、こうした倶楽部の展覧会は、皆さんにとって言葉では言い表せない多くの実りと意義を残してくれることでしょう。
また、来年会員の皆さんの「珠玉の1点」と、展示会場で出逢えることを期待しています。